ボートレースの勝負駆けとは？予選最終日の狙い目と得点率の計算術

ボートレース（競艇）を予想する上で、避けて通れないのが「予選最終日の勝負駆け」です。

「この選手は勝負駆けだから買いだ！」「ボーダーまであと何点必要？」といった実況や解説を耳にしたことはありませんか？勝負駆けの仕組みと計算方法を理解すると、予選最終日の的中率は格段に上がります。

本記事では、初心者の方でもすぐに実践できる「得点率の計算術」と「勝負駆けを狙い打つ予想のコツ」を徹底解説します。

ボートレースの「勝負駆け」とは？

ボートレースの開催（通常4〜6日間）の前半戦は「予選」と呼ばれます。この予選での成績が良い選手だけが、後半戦の「準優勝戦（準優）」に進むことができます。

一般戦の場合、予選の得点率上位18名（3レース制の場合）が準優勝戦へ進みます。「勝負駆け（しょうぶがけ）」とは、まさにこの予選突破の当落線上にいる選手が、準優進出をかけて走ることを指します。

予選最終日は、選手にとって「準優に進めるかどうかの瀬戸際」です。準優に進めば賞金も上がり、優勝のチャンスも生まれます。そのため、普段以上にスタートを攻めたり、強引なコース取り（前付け）をしたりと、選手の心理状態がレース展開に大きく影響するのです。

勝負駆けを読み解くには、まず「得点率」を計算できなければなりません。

ボートレースでは着順に応じて「得点」が付与されます。一般的な着順点は以下の通りです。

※待機行動違反（-7点）や不良航法（-7点）などの減点がある場合、合計点から差し引かれます。

得点率は、以下の数式で算出します。

$$\text{得点率} = \frac{\text{合計得点} – \text{減点点数}}{\text{出走回数}}$$

例えば、予選3日間で5走し、合計30点持っている選手が、最終日に1回走る場合：

このように、**「何着なら予選を突破できるか（○着条件）」**を把握することが予想の第一歩です。

予選突破のボーダーライン（18位の得点率）は、一般的に**「6.00」**が目安と言われています。

オール3連対（すべて3着以内）であれば、ほぼ確実に準優に進める計算です。ただし、イン逃げが決まりやすい場や追い風が強い日は、ボーダーが6.20付近まで上がることもあります。

勝負駆けの状況が分かれば、舟券の軸選びが変わります。

「1着を獲らなければ予選落ち」という状況の選手は、スタートで無理をしてでも攻めてきます。特に、格上の選手が予選で出遅れ、「1着条件」で外枠に配置されたときは要注意です。強引な捲り差しや、1マークでの思い切った攻めが万舟券を演出することがあります。

「少しでも内枠を確保して着をまとめたい」と考える選手は、展示航走から積極的に内コースを狙ってきます（前付け）。特にベテラン選手の勝負駆けは、コースを動いてくる可能性が高いため、スタート展示のチェックが欠かせません。

すでに上位通過が確定しており、「6着でも予選1位通過」といった選手は、無理な競り合いを避ける傾向があります。特にフライングを1本持っている主力選手が「完走当確」の場合、スタートを控える可能性があるため、あえて評価を下げる（嫌う）勇気も必要です。

「勝負駆け＝買い」という単純な思考は危険です。以下のケースでは慎重になりましょう。

モーター性能（機力）が明らかに劣っている どんなに「気合」が入っていても、伸びがないモーターでは競り合いで負けます。直前予想の展示タイムや周回展示を優先しましょう。
フライング持ちの選手の勝負駆け F（フライング）持ちの選手は、勝負どころでもスタートで踏み込めないリスクがあります。「気持ち」と「物理的な制約」の板挟みになっている選手は過信禁物です。
番組編成の意図を読み解く 施行者（番組マン）は、地元の有力選手を準優に乗せたいと考え、予選最終日に「絶好枠（1号艇）」を与えることがあります。逆に、厳しい枠順ばかりを組まされている選手は、機力や調子が評価されていない証拠かもしれません。